スペインのバルセロナに生まれたミロは、1919年初めてパリに出て、のちにシュルレアリスムのグループに加わり、奔放な表現を探求しました。人の顔を表した形態が、幾何学的な形態と組み合わされた《窓辺の人物》が制作された1935年は、ミロの故郷であるカタルーニャ地方が内戦へ向かう時期でした。人物表現はユーモラスですが、色彩は陰鬱で背後で交差する線が十字架のようにも見え、当時のミロの心象が表されているようです。
スペイン、バルセロナ生まれ。1919年パリに出てパブロ・ピカソと出会い、当時勃興していた芸術運動のダダを目撃し、1924年シュルレアリスムのグループに加わります。油彩をはじめ彫刻、陶器、版画、詩画集などにも優れた作品を多く遺しました。