1890年、モネはパリ近郊のジヴェルニーに家と土地を購入し、そこで制作と作庭に没頭します。睡蓮が絵画の主題になり始めるのは1899年ころからで、当初は橋や柳など池の周囲の様子まで描かれていました。しかし、連作を重ねるなかでモネの視点は次第に池に接近し、やがては水面だけが画面を覆うようになります。本作では、睡蓮が浮かび、空や木々が映り込んでゆらめく水面がたくみにとらえられています。
フランス、パリ生まれ。少年期をノルマンディー地方のル・アーヴルで過ごし、画家ウジェーヌ・ブーダンとの出会いからパリに出て画塾に通い、1874年第一回印象派展に参加。《睡蓮》連作など印象派を代表する絵画を遺しました。