アサヒビール大山崎山荘美術館
 

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夢をめぐる展 ご紹介その4

2021月6月22日
  • 展覧会

「夢をめぐる」展のご紹介記事も今回が最終回です。

本日は、本館の展示作品から、スリップウェアについてご紹介いたします。

スリップウェアとは?

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「スリップウェア」とは、うつわの素地をクリーム状の化粧土(スリップ)で装飾して、焼成した陶器(ウェア)のことです。スリップをスポイトなどに仕込み、流しだして文様を描いたりするのが主な技法で、古代メソポタミア以来各地で制作され、とくに17世紀のイギリスで発展しました。18世紀に入ると、家庭の台所で鍋や皿として用いられるなど、庶民の間で普及しましたが、産業革命後は軽く使いやすい陶器の量産品が出回るようになり、スリップウェアは急速に姿を消しました。

本作《イギリス スリップウェア線文鉢》は、ジグザク、うねうねと勢いよく線が描かれています。素朴な色合いですが、とても存在感があります。

民藝運動での再生

このスリップウェアに注目し、世に紹介したのが柳宗悦ら、民藝運動を推進した同人たちでした。バーナード・リーチと濱田庄司は、1920年イギリスに窯を築いて研究と試作をかさね、18世紀のスリップウェアを復元することに成功しました。また、濱田が持ち帰ったイギリスのスリップウェアを見た河井寬次郎も、すぐにそれを模して制作を行ったということです。

途絶えていたイギリスのスリップウェアは、時を超えてリーチ、濱田、そして河井に大きな影響を与え、以降の彼らの作品にいかされていきました。

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現在美術館では、18世紀のイギリスで作られたものから、バーナード・リーチ、濱田庄司、河井寬次郎が制作したスリップウェアまでご覧いただけます。見比べて、お気に入りを探してみても面白いかもしれませんね。

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