アサヒビール大山崎山荘美術館
 

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東山魁夷のスケッチ展 ご紹介その1

2019月9月20日
  • 展覧会

日増しに秋の気配が濃くなってまいりました。当館ではただいま展覧会「東山魁夷のスケッチ ―欧州の古き町にて」を開催しております。

展覧会を皆さまによりお楽しみいただくために、このブログでも東山魁夷展を数回に分けてご紹介していきます。本日はご紹介第1弾です!

風景画家としてひろく知られる東山魁夷ですが、その制作活動は様々な地を旅するなかで目にした、自然の営みにもとづきます。本展では、旅好きな魁夷の、なかでも欧州の旅に焦点をあて、その旅にまつわるスケッチ類をご覧いただける機会となっております。

展覧会は会期を前期・後期に分け、スケッチ、習作、さらにはスケッチをもとに描かれた本制作の約100点を展示いたします。(※スケッチ、習作はすべての作品を前後期で入れ替えます。)

前期 9月14日(土)‐10月27日(日)

後期 10月29日(火)‐12月1日(日)

前期・後期ともに、魁夷が心ゆくままに描きとどめた、情緒あふれる作品ばかりです。190920_kaii2.JPG

魁夷が初めて異国の地を訪れたのは、25歳、ドイツ留学のころに遡ります。東京美術学校を卒業したのち、日本画の新しい表現を求めてさまざまな芸術をその眼で確認すべく、ドイツへ旅立ちました。

貨物船に便乗した魁夷は、ドイツへ向かうまでに経由した先々でも、各地の様相をスケッチに残しています。

本館1階山本記念展示室にてご覧いただけるスエズ紀行の連作では、はじめて目にする異国の風景や人々の営みを明るい色彩で伝えてくれています。190919_kaii1.JPG

魁夷がベルリンへ到着したのは1933年、ナチスが政権を取り、ヒトラーが首相となった年でもあり、街は第二次世界大戦へ向かう不穏な空気に包まれていました。魁夷は、戦前のベルリンの様子を知る貴重な日本人のひとりでもあったのです。

勉学に励むとともに、ヨーロッパ巡遊に出かけるなど、充実した日々を過ごしていた魁夷ですが、父の病気の知らせを受け、留学期限の半ばで帰国の途につきました。

留学の終わりは不意に訪れましたが、留学の際に入手した旅行書などの資料はその後も大切に保管されていたようです。『ベデカー旅行案内書』をはじめ、魁夷と旅をともにした資料もご覧いただくことができます。

なお、山本記念展示室では、魁夷が留学中に訪れた各地にちなんだ当館所蔵のやきものを合わせてご紹介しております。青年魁夷の旅にもぜひ思いを馳せてみてくださいね。

皆さまのご来館をお待ちしております。

(M)