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アルベルト・ジャコメッティ
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アルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)はスイス人の画家を父として生まれました。ジュネーブの美術学校で勉強。イタリアを長期に旅行したのち、1923年にパリに移住し彫刻家として活躍しました。 当館にて公開しているジャコメッティの作品は触ると折れてしまいそうな細長い婦人像「ベニスの貴婦人VIII」です。この婦人像に見られるように、彼のつくる彫刻はそれ以前のものとは大きく異なります。伝統的に彫刻家はしっかりと肉がついた身体を形作ってきました。例えば、近代の彫刻家の巨匠ロダンがつくる人物像は、がっちりと筋肉がついた身体をもち、ドラマティックな表情、姿勢を誇示しています。これに対して、ジャコメッティは肉体を極限までそぎ落とし、ほとんど骨と皮だけの人物像を生み出しました。彼のつくる人物はただ直立していたり、歩いていたりと凡庸なポーズしかとっていません。何がしかのドラマが過ぎ去り、ぼう然としているようです。 彫刻家としてのジャコメッティの関心は、ドラマチックな表現をすることにはありませんでした。彼の関心は心の内にあるものと外にあるものが異なることをどのように表現していくかにあったのです。この違いを形で捉えることを、彼は追求し、表現しました。ジャコメッティ特有のリアルな表現は、人物の外観を忠実に再現するのではなく、心理的な不安感など内面にあるものを形として表出させること。そこには、現代にも通じる人間の孤独感、疎外感がにじみ出ます。ジャコメッティの細長い彫像が今でも人の心をひきつけるのは、現代人が日常ふと感じる思いがそこに見て取れるからではないでしょうか。 |